〜上ケ原だより〜
●第29号 2005/01/26   振り返ること
 私は現在、自分の夢であった中学校の教師をしています。学校では、学習指導(教科指導)はもちろん、部活動指導も大切な学校の活動の一環ですので、全教師がなんらかの部活動を担当しています。部活動では、幸いにして水泳部の監督につくことができ、3年目がもうすぐ終わろうとしています。生徒がベスト記録を更新するときや満足した泳ぎができたときには生徒と一緒になって喜んでいます。毎日、忙しいけれども生徒の顔を見るだけで、疲れや悩み事も忘れてしまうほど充実した日々を過ごしています。
 
 学校生活で改めて感じることは「振り返ること」にすべてが繋がるということです。例えば、学習面で振り返らなければ同じ問題で繰り返し間違えてしまいます。また、生徒指導面では、振り返らなければ、また指導されてしまいます。部活動面でも同じことがいえます。この「振り返る」行為によって自分だけではなく周りも冷静に見ることができるようになるだけではなく、今まで気づかなかったものまで感じることができるということです。私はよくクラスの生徒に「振り返ること」の大切さを話しています。

「振り返ること」で、今の自分が見えてくる。
「振り返ること」で、自分を支えている周りの人が見えてくる。
「振り返ること」で、未来の自分が見えてくる・・・
まだまだ、たくさん出てくると思います。

 学生時代、私は「振り返ること」が少なくて視野が狭くなっていたような気がします。多くのことを見抜くこと・気づくことができなかったように思えます。現役生には、今の時点でいいので、一度「振り返って」みてはどうかと思います。現在よりも少し未来が見えてくるかもしれません。プラスになるかもしれません。みなさんの今後の活躍に期待します。頑張ってください。

水上競技部OB 平松 憲太郎(2000年経済学部卒)

●第28号 2004/12/24   肩の力を抜いて
 私は、1997年3月に関西学院大学を卒業し、それ以来サラリーマン生活約8年。楽しいこと、辛いこと、悲しいこと、チョー気持ちいこと等色々ありましたが、やはり今振り返って思う事は、人生は愉しくありたいということです。

 学生時代は、水上競技部で気持ちのよい汗を流し、良き青春時代を過ごせたのが、社会人となった今では気持ちの悪い汗を流すことが多くなりました。会社に忠誠を誓えば、一生を約束された一昔と比べ、今はどこの会社でもリストラ・使い捨ての時代です。暗い話で憂鬱になりますが、方法はあると思います。

 会社・世間体に左右されることなく、自分を一番に考え行動すること。自分本位に事を進めればよいと思います。“仕事はパートの延長だ”というような“割り切り”も必要だと思います。会社もそのように考えているはずですから。地位・名誉・世間体等は出来る限り後回しにして、自分・家族・友人と共に愉しい人生を送りたいと私は思います。

 「万事に前向きな姿勢と感謝の心を持つ」考え方次第で人生は愉しくもなり、辛くもなると思います。現役生の方々、どうか自分の選んだ道に焦らず、諦めず、怒ることなく、プラス思考を駆使して“地味で平凡”な人生を送ってほしいと思います。それが一番幸せで愉しい人生だと思う今日この頃です。

水上競技部OB 中井 学(1997年文学部卒)

●第27号 2004/10/03   2005年度シーズンに向けて
 第86代主将を務めさせて頂きます瀬田和幸です。今シーズンのチーム目標として『関西学生選手権において、男子はインカレ団体出場権獲得、女子は2位死守』『関関戦勝利』『ベスト更新率100%』『インカレにおいて、女子メドレーリレー決勝進出』の4点を掲げます。

 近年の目標と比べると、これらの目標は低いものに見えるかもしれません。しかし、冷静に戦力を分析すると、これらの目標でもチーム・個人の更なる努力なしには達成することはできません。今後、クラブが発展を続けていくためにも、少しずつでも目標を達成していくことが大切だと考えています。

 競泳は個人競技ですが、「関学」「チーム」というように、団体に所属し、団体で戦っていることも忘れてはならないと思います。自分のことは誰でも考えます。そこからもう一歩進んで、チームのことを考えることが必要です。そうすることでシーズンが終わった時には、個人、チームともに目標を達成できていると思います。今後入部してくる後輩たちのためにも、飛躍のための土台を残したいと思います。

 最後になりましたが、日ごろ多大なご支援を頂いております手塚会長、井上部長をはじめ、OB・OGの諸先輩の皆様に厚く御礼を申し上げます。今後ともより一層のご支援、ご指導の程宜しくお願い致します。

水上競技部第86代主将 瀬田 和幸(経済学部3年生)

●第26号 2004/09/13   インカレ総括
 今年のインカレも終わった。オリンピックイヤーということもあり、金メダリストの登場など、今までとは違ったインカレであった。1年前には想像できない?少なくとも2年前には想像できない大会であった。

 まず観客の多さ。立ち見はもちろん、通路に座り込んだり、壁の段差に座って観戦という状態である。観客席が狭いということもあるが、観客は相当多かったと思われる。また、選手席へは一般人が入れないようにしてあった。

 次にマスコミの多さ。昨年までも優勝者のインタビューを行っていたが、テレ朝からアナウンサーが派遣されていた。それだけでなく、報道陣の数も確実に増えていた。こういった水泳を取り巻く環境については、「オリンピック選考会を見て〜環境編」でも触れているので、過去の上ケ原だよりを参考にしていただきたい。

 周りを取り巻く環境が驚くべきスピードで変化している。関学水上競技部はどうだろうか?卒業生・現役生ともあまり変わらないような気がする。

 卒業生はすでに多くの場面で聞かされていると思うが、「現状打破」という言葉がポイントかと思われる。経済は生き物であり、日々変化している。それに対応するために、常に改善・進化を要求される。これは水泳界でもまったく同じことで、適応したものは世界への扉を開き、適応しないものは停滞する。水泳も生き物である。常に改善・進化しなければならない。関学水上競技部は適応出来なかったと言わざるを得ない。

 現役生は過去の成功にとらわれてはならない。常に改善・進化し続けなければならない。人間は変化を恐れるが、恐れてはならない。失敗しても命を奪われるわけではない。むしろ多くの経験をすることで人生のプラスとなる。常に改善・進化を意識しないと達成出来ない。若い感性で挑戦してもらいたい。

水上競技部競泳コーチ 竹下 裕之(1990年社会学部卒)

●第25号 2004/05/31   オリンピック選考会を見て〜環境編〜
 今回は前売り券の段階で、土曜日・日曜日の決勝のチケットが売り切れてしまった。これは2001年世界水泳からのマスコミの影響が大きいと考えられる。10年前では考えられないことである。10年前はスタンドがガラガラで、関係者が大半であった。ところが今回は関係者以外が多く観戦しており、驚きである。チケットの売上は、前年対比80%増という。

 選手の立場からすると、土曜日・日曜日も満員で、「頑張ろう!」という気になる、恵まれた環境であったと感じた。インタビューについても、スポンサーを意識したものであったり、金銭が影響していると思われる。契約しているマネージメント会社などから、訓練されている感じである。試合進行のアナウンスやカメラの位置、広告の位置まで洗練されていた。ボランティアとプロの運営は違う。

 プロ化の影響があっても、今後も一握りの選手しか恩恵をこうむることはないと思う。オリンピックの結果も大きく影響するだろう。それでも、とにかく新たな時代を迎えたことには変わりない。

 今後、組織のしっかりしていないチームは、取り残されるだろう。学生だけの運営や選手の能力だけではどうにもならない。とある大学のコーチは、コンビニで働くフリーターである。まだまだ水泳界を取り巻く環境は厳しい。しかし、現状を把握し、少しずつでも改善しなければ、明るい未来は見えてこない。

 日本一を目指すこと、それは世界と戦うことである。


水上競技部競泳コーチ 竹下 裕之(1990年社会学部卒)

●第24号 2004/05/31   オリンピック選考会を見て〜競技編〜
 まず今回の代表に選ばれたメンバーだが、高校生以下は1名のみである。競技パフォーマンスが向上しており、良いことである。勢いだけでなく、精神的な部分をコントロールして、競技を続けなければ勝てない証拠である。まさしく心・技・体が要求されていることを示している。

 練習については、高地トレと筋トレと今後水泳界で行われるであろうと思われる練習を本格的に行ってきているチームがあった。高地トレについては、まだまだ試行錯誤の段階であると感じられた。またコメントが難しいので、ここでは省略する。筋トレについては、ムキムキになる感じではなく、体幹を鍛え、筋持久系の練習をしている感じであった。選手が理解しているかは別として、故障しにくく、スイムでの練習に耐えれるように鍛えられている感じがした。

 また今後行われる練習のひとつにメントレがある。メントレについては、確立された方法で行う場合と、日ごろの練習から指導者の話を聞き、練習で頑張って自信をつけていく場合の2つに分かれるのではないかと思われる。大半の選手は後者しか選択できないかもしれない。しかし、古典的かもしれないが、やり方によっては十分効果があるだろう。

 技術については、しっかり体をつくり、その選手の特徴を生かした泳ぎが確立されている選手が良い結果を出していると思われる。速い選手の動作は、流れるような動きで無駄が少ないというのが、当たり前だが共通していると感じた。

 最後にトップレベルの選手についてコメントしたが、このレベルに到達していない選手は、現状の課題を克服しなければならない。それでないと同じ土俵にすら立つことができない。またこういった選手ほど、意識が低いのではないか。

水上競技部競泳コーチ 竹下 裕之(1990年社会学部卒)

●第23号 2004/04/05   「節すれば楽限りなし」
 「節すれば楽限りなし」
 最近の座右の銘。『楽訓』(貝原益軒)の中の一節です。

 現在、製菓業に携わって3年目になります。和菓子・洋菓子の中にはさまざまな季節、節句に応じた商品があります。たとえば、今では春を象徴する「桜」「菜の花」をイメージしたお菓子、もう少し経てば初夏の川のせせらぎをイメージしたお菓子があります。このように、私は目や味といった五感で楽しめるお菓子を作ることに日々努力しています。こういった五感の楽しみをあげて、彼は「節すれば楽限りなし」(季節を感じよう、そうすれば楽しいことには限りがない)と説いています。
 
 この「節すれば楽限りなし」には他にも捉え方があると私は考えています。「節」には季節、節句の他に「志を守ってかえないこと」の意味もあり、努力すればした分だけ楽しいこと嬉しいことは限りなく生まれてくる、と私なりに解釈しています。これは、学業、スポーツ(水泳)、仕事...すべての事にに当てはまる事だと思います。
 
 しかし努力するにも無理は禁物であり、怪我をしてしまえば泳ぐ楽しみも失せてしまいます。人生頑張ることも大切ですが、絶えず自分自身にゆるみをくれる配慮はもっと重大なことと思います。

 最後に、現役生皆さんが大学卒業後に「4年間楽しかった」と思える事を願っています。

水上競技部OB 森田 昌孝(2000年理学部卒)

●第22号 2004/03/22   2つの視点
 大学卒業後、2年間の大学院生活を終え、現在、7ヵ所の職場を掛け持ち、プレイセラピスト・講師・相談員・プールの指導員といった仕事をしています。それぞれの場所での仕事内容は異なり、その時・その場所によって適切な働きをしなければなりません。仕事を始めた頃は、その場その場で与えられた仕事をこなすことだけで精一杯でした。日々与えられる自分の役割があまりに異なるので、自分が分裂していくようにも感じていました。

 学部の頃も心理学科生として、水上競技部員として、学生本部員としての自分をどのように折り合いをつけてよいのか悩んでいたように思います。その頃、指導教授に言われたのは、『常に自分のアドレスと目的地を確認しなさい』ということでした。自分が、目的地に行くまでのどの場所にいるのかわからなければ、道に迷ってしまいます。同時に、目的地がわかっていなければ、たとえ先に進めてもどこまで行けばよいのかわかりません。散々言われていることですが、常に「今」と「先」を見る視点を持ちながら、過ごさなければならないということです。

 目の前のことを一生懸命することはもちろん大切ですが、最終目標までのどの位置にあることを今やっているのかを改めて見つめなおしてから行動することも必要なようです。そのように毎日を過ごせるようになってからは、自分が一つにまとまり、迷いながらも目標に向かっている、という実感を持てるようになった気がしています。

水上競技部OG 山下 美樹(2000年文学部卒)

●第21号 2004/02/01   相手の立場になって、感謝の気持ちをもって
 チーム・組織として、目標を達成する為に大切なこと。それは皆が同じ目標に向かい続けていられるかどうかだと思います。その為に必要なことがタイトルで述べた点だと思います。水泳部でいうと、各々の立場からやるべきことは至ってシンプルです。
・選手は、0.01秒でも速く泳げるように。
・マネージャーはより選手が競技に集中することが出来るように。

 その為に何が必要なのかを日々考え、練習・マネージャー業務に励んでいることと思います。チーム・組織の運営には、役割分担があるわけですが、分担された役割だけを見つめ、担っていくだけでは個々が我が道を歩んでいるだけだし、目標も見失い、ベクトルもブレがちです。相互の立場に立ち、感謝の気持ちを持ち続けることにより、皆のベクトルが統一できると思います。

 特に行き詰まりを感じたとき、振り返ってみて下さい。相手の立場を考えられているか?感謝の気持ちを忘れていないか?を...

水上競技部OB 関田 信之(1999年法学部卒)

●第20号 2004/01/26   水泳を通して
 水上競技部を引退してから4年が過ぎ、今ではまったく水泳からはなれた生活を送っていますが、今の自分があるのは水泳のおかげだと言っても過言ではないと思っています。
 
 「水泳」を通して得られるものはたくさんあると思います。得られるものは人それぞれ違うでしょうし、後になってから気づくものの方が多いかもしれませんが、私自身これからも、水泳から学んだことをより多くプラスにかえていけるように、水泳での経験を大切にしていきたいと考えています。
 
 学生時代を振り返ってみると、周りの多くの人達に刺激されて、チャレンジ精神を持ち続けることができました。結果がなかなかでない焦りから目標を見失ったり、自信を消失したりしたこともありましたが、そういう時期があったからこそ、目標タイムがでたときの達成感も大きかったのだと思います。いろんな方達に助けられ、恵まれた環境のなかで水泳に打ち込むことができたのは本当に幸せなことです。

 大学の4年間はあっという間ですが、充実した日々のなかで、たくさんの経験を得ることができる時期です。後悔することのないよう、今できることを思い残すことなく遣り抜いて欲しいと思います。

水上競技部OG 藤本 敦子(2000年社会学部卒)

●第19号 2004/01/21   目標達成へのプロセス
 卒業後、九州に戻ってきて、仕事の忙しさや西宮との距離感を言い訳に、水上競技部とも縁遠くなってしまい、反省しています。多少は現役のみなさんのお役に立てればと思い、今思うことを書かせて頂きます。

 私が広告の仕事に就いて8年が経ちました。やっと仕事を仕事らしくできるようになり、それなりに独り立ちして責任のある仕事をさせてもらえるようになりました。広告会社の仕事の多くは、広告主が達成したい目標をコミュニケーションという側面から手助けをすることです。いかにして目標を上回るように手助けをするかということを日々考えて実行して飯の種にしています。

 そんな仕事をする中で最近になって理解したことがあります。それは目標を達成するのためのプロセスについてです。もし私が水上競技部で現役だった時代にそのことを論理的に考えることができていたら、もっとよい結果を残して関学水上競技部での活動を終えることができていたかもしれないと思ったので、今まさに現役のみなさんに目標を達成するためのプロセスの考え方について教えたいと思います。

<目標達成のためのプロセス>
@ まず当たり前のことですが目標を立てます。目標はできるだけ
具体的に、期日を設定して立てます。例えば「来年の8月の関カレで100メートルバタフライを56秒5で泳ぐ」とか「来年の関カレで総合2位になる」とか。

A 次に今の自分がなぜ目標を達成できていないかを分析します。できるだけいろいろな側面から具体的に考えます。これは広告計画の場合は
「目標の達成を阻んでいる要因の発見=課題の発見」となります。水泳の場合だと自分をできるだけ客観的に分析して弱点を発見することになります。例えば、レースでの泳ぎを、ビデオを見ながら分析します。5M、10M、15M、25M、50M、ターンの前後の10M、ターンから25M、ラスト25M、ラスト5M、スタート、ターン、タッチどこが遅いか?弱点なのか?。もしくは普段の練習で弱いところはどこか?苦手な練習は?手を抜いている練習は?そのように客観的に自分を分析して自分の弱点=課題を発見します。

B 発見した弱点をリストアップし、弱点としての影響の強い順に並べます。そのときにいくつかの側面に分けてできるだけ細かくリストアップします。
・技術面(姿勢・キック・ストローク・タイミング・スタート・ターンなど)
・体力面(瞬発力・筋持久力・心肺能力・キック力・ストローク力など)
・ 精神面(練習中の忍耐力・積極性・レース前の意気込み・冷静さ・レース中の忍耐力など)
・ 生活面(食事・栄養・睡眠・学業との両立・バイトとの両立・レース前の調整など)
例えばスタートから15Mが遅い原因はなにかを分析します。スタートの反応、入水するまでの距離、入水角度、入水後の姿勢、水中でのキック力、浮き上がりのタイミング、一掻き目、何が問題かを理解します。

C  Bで発見した弱点を克服するためには、どうしたら良いかを考えます。ここで重要なことはいつまでにどれくらい克服するかを決めることです。どこを、いつまでに、どの程度改善するために、どんな練習を、どれくらいするのか?という
具体的な計画作成します。例えばスタートの課題を解決するためには、「より遠くに飛べるように、足の筋力を、30日後までに、垂直飛びが10p向上する程度強化する。そのために筋トレを週2回増やして…」という具合に行ないます。

D 最後に目標を達成すべき日までのスケジュールを作成します。全てを一気に行なうことは不可能なので優先順位の高い課題から、長期的に検討して、少しずつ取り組んでいくことを薦めます。そして課題解決の進捗度を必ずチェックして、途中で計画を見直すことも重要です。そのためには必ず
記録に残しておくことが重要です。

 関カレまであと何日あるか知っていますか?仮に200日なら、その間に解決しなければならない課題、克服しなければならない弱点はいくつありますか?克服するためには何をいつまでにどの程度改善しますか?

 残された時間はもうあと僅かのはずです。悔いを残さないためにも客観的に論理的に練習に取り組んでください。一番悪いのは、努力すれば必ず結果が出ると信じて、愚直に自分を追い込むことです。私は現役時代にその失敗をしました。ただ頑張っているだけでは決して記録は出ません。自分を分析することからまず始めてみてください。現役のみなさんに期待しています。

水上競技部OB 貴島 順治(1996年商学部卒)

●第18号 2003/12/13   競技者から指導者になって
 競技生活を引退してもうすぐ4年となりますが、私はまだ幸運にも水泳に携わっています。現在指導者として未来ある選手の子供たちを教えています。指導する中ですごく思うことは「水泳は奥が深い」「子供の可能性は計り知れない」ということです。自分自身13年間の競技生活の中でいろいろな人・指導者と出会い、さまざまな経験をしました。思い起こせば大学に入学した頃、私は思うようにタイムが伸びずこのままもう伸びないのではないかという不安でいっぱいでした。しかし、この水上競技部での水泳は私の水泳観を大きく変え、水泳について学び、人としても成長することができたと思います。今の教え子たちにも水泳を通して人としても成長してほしいと思っています。

 話は戻りますが、何故「水泳は奥が深い」「子供の可能性は計り知れない」のか。水泳経験の浅い子供たちは、速くなることに純粋であり、指導者の言葉を素直に聞き入れます。そして、その過程において予想以上のタイムを出し、試合でしかできない泳ぎを連発してくれます。純粋に速くなることだけを考え練習する姿に小さい頃の自分を思い出すこともよくあります。 しかし、一方で幼いが故に自分の培ってきた泳ぎを伝えることや泳ぎの選択に非常に悩まされます。やはり子供にあわせることが1番であり、その子にあった泳ぎを導いてやることはとても難しく奥が深いと感じています。
 
 最後に後輩の皆さんに伝えたいことは純粋に速くなるために何事にも恐れずチャレンジしてほしいということです。長く水泳を続け、自分の水泳観が固まってくるとなかなか新しいことが受け入れにくいと思います。特に大学の水泳生活は自分で考え工夫して速くなる部分が強いと思います。4年間を自分の思ったとおりに練習し、努力することがいいのではないかと強く思います。そして、お互いを高めあい、知識を分け与えることが水上競技部の発展につながると思います。是非4年間悔いのないように自分の水泳を高め、人間として成長していってほしいと思います。頑張ってください。

水上競技部OB 賀門 哲教(2001年文学部卒)

●第17号 2003/12/07   社会人になって気付かされたこと
 保険会社に勤め始めてはや3年半になりました。社会人になってすぐに気付かされたのは、自分のコミュニケーション能力不足です。契約者に商品内容を説明する時や上司に様々な事柄を報告する時など、自分の言いたいことを相手に正しく伝え、理解してもらうことは、本当に難しいことです。特に電話で相手が怒っているような時には、尚更難しくなります。
 
 学生時代を振り返ると、自分の意見を控えることが協調性だと思っていた所があり、人と意見を対立させることを避けていました。しかし、何もせずに、組織の方針に合わないからやめる、もしくは見えない所で自分だけ違うことをする、というようなことをしていては、自分も組織も絶対に成長しないと今更ながらに思うのです。現役生のみなさん、もし全体とは異なる自分の意見があるのなら、それを主張して周囲を変えようとしてみて下さい。自分の悩み、意見をできるだけ多くの人にぶつけてみて下さい。最初は誤解をまねくことがあっても、そのうち表現力がつくでしょう。大学は失敗を怖れずにコミュニケーション能力をつける絶好の場だと思います。そして水上競技部をよりよい部にするために、意見を出し合い、また外部からの意見も積極的にとりいれていってほしいと思います。

 最後に後輩のみなさん、毎年水の祭典を開催してくださり、本当にありがとうございます。運営は大変かと思いますが、ぜひ今後も続けていってほしいです。応援しています。

水上競技部OG 石川 理恵(2000年法学部卒)

●第16号 2003/11/13   仲間がいる幸せ   
 水泳部を引退して既に8年が過ぎました。こんなに年月が経つのに、いつでもあの練習の厳しさ、苦しさ、達成感、喜び・・・さまざまな思いを選手だった頃のように感じることができます。あんなに苦しい練習でもあきらめずにやっていけたのは、記録達成・勝利というとても明確な目標と一緒に練習する仲間があったからだと思います。そして、水泳に真剣に取り組む自分たちをとても誇らしく思い、心も体も充実していました。

 私事ですが、最近病気で入院してしまい運動(歩くことさえ)を禁止されていました。ずっと病室にいると気持ちが暗くなり、このまま外に出られないかもしれない・・・などと気弱に感じたりしました。何かを目標にしなければこのまま病気が治らないような気がして、その時、『やっぱり、もう一度泳ぎたい!』と心から思いました。入院中であったし退院後も当分の間は泳ぐなんてとんでもないことなのですが、一度は退会したフィットネスクラブに家族にムリを言ってもう一度入会の手続きをしてもらいました。友人たちも入会し、一緒に頑張ろうと言ってくれました。

 何かをするとき明確な目標があると人は頑張れる、それも一緒に頑張ってくれる仲間がいるともっと頑張れるんだな、と改めて実感しました。今、仲間と一緒に水泳に取り組める皆さんはとても幸せだと思います。練習は苦しいし、目標が見えなくなるかもしれませんが、自分を信じて頑張ってください。

水上競技部OG 木村 佳代子(1996年商学部卒)

●第15号 2003/11/03   水泳って、おもしろい
 10年の競泳生活を終えて、サラリーマン生活が5年目になりましたが、最近思うのは、「水泳ってほんまおもしろかったなあ」ということです。

 水泳は「自己ベストの更新」、企業は「利益の追求」と言う目標があり、日々時間を費やし、課題解決の方法を考えたり改善活動を行う、ということで似通ったところがあるのですが、決定的に違う事がひとつ。水泳は試合での自分自身の泳ぎで結果を導き,それを体感できると言うことです。

 企業の一員になると、個人ではとても実現できない事業に携わることが出来たり、それが社会に評価されると言った面白さもあるのですが、反面、自分の考えを実行したり、結果を感じ取ると言った面で限界があるように思います。

 学生という比較的自由に時間が作れる中で、自分の夢や目標を実現する為に、自分たちの頭で計画を立て、毎日の練習に励み、試合でその結果を出す。成功したときは心底うれしく,まわりも共感してくれる。また,失敗しても自分に帰ってくるだけで経済的に損失を負うこともなく、納得いくまで試行錯誤して次に臨むことが出来る。こんなことが出来たのは人生の中でもかなり贅沢で貴重な経験だと思います。(生活がかかってくるとそうはいかないので・・・。)

 引退後は水上競技部からも遠ざかってしまっているので,現役生の考えや現状の組織としての課題などはわからないのですが、思いっきり頭と体を使って楽しんで欲しいなあ・・・と思います。

水上競技部OB 前田 直士(1999年社会学部卒)

●第14号 2003/10/22   ありがとう!
 水上競技部を引退してはや6年。3年間の会社勤めの後、一大決心をし、大津市消防局に再就職しました。世間には様々な職業があり、人の向き不向きも千差万別ですが、その中で私は自分に合った「消防」という仕事に出会えて非常に幸運だと思っています。  

 思えば会社員時代、消防士になろうとは夢にも思っていなかった私が消防に転職したきっかけとなったのは、水泳で知り合いになった人の勧めがあったからでした。そして去年、今年と全国消防救助技術大会という消防士の登竜門のような大会に出場できたのも、水泳を活かして出場した水難救助部門で勝ち抜くことができたからです。これにより全国に消防士の知り合いができ、視野も広がり自分にプラスとなっています。

 水上競技部を引退するまで十数年間と続けてきた水泳。高校までは厳しく強制的にこなす練習のせいで水泳が嫌い(というより怖かった)でしたが、関学水泳部に入部し、先輩、同期、後輩と人に恵まれたおかげで、初めて水泳を肯定的に捉え、ベスト記録も更新でき、「水泳は楽しい!」と思えるようになりました。今でも、趣味レベルですが、ちょこちょこ試合にも出ています。

 振り返れば、関学水上競技部が私の水泳観を変え、そして、水泳が私の人生に大きなプラスを与えてくれました。現役のみなさんに、是非お願いしたいのは、自分のクラブをもっと好きになって、水泳をもっと頑張っていただきたいということです。きっと今の水泳成績はもちろん、それ以上に、今後ずっと続く人生の中で、予想もしないところで自分にプラスになって帰ってくると思います。その気持ちが強ければ強いほど…。

 水泳に感謝! 関学水上競技部に感謝!!

水上競技部OB 黒島 和司(1998年商学部卒)

●第13号 2003/10/12   初心に戻って…
 平成12年に卒業し、今年で社会人4年目となりました。 まだまだ新人のつもりでいたのですが、(当然ながら)年々後輩が増え、教わる立場から、指導する立場へと変わりつつあります。 指導するという事は本当に難しく、自身が完璧に理解していなければ、なかなか相手には伝わりません。 手引きで確認したり、先輩からアドバイスを頂いて、日々奮闘しています。

 現役の皆さん、とりわけ新幹部の皆さんは、中心となって部を運営していく立場になります。 不安・疑問、また思いがうまく伝わらず自信消失…など、色々出てくるかもしれません。そんな時は、少し立ち止まって、何故水上競技部を選んだのかを思い出してみて下さい。 きっと「水泳・水球が好きだから」「頑張っている選手を少しでも支えたいから」と単純明快に、自信を持って言えると思います。 また、入部してからの経験では補い切れない部分は、部長や監督・コーチのアドバイスで助けて頂けるでしょう。 また、水の祭典はより多くの先輩方と話せるチャンスですよ。

 これからも厳しいトレーニングが続くと思いますが、是非、追い込みの中にもクラブ生活を楽しむ気持ちを忘れないで頑張って下さい。 応援しています!

水上競技部OG 池田 和子(2000年文学部卒)

●第12号 2003/09/27   一日一日を大切に
 私事ですが、社会人になってから縁あってトライアスロン競技に取り組んでいます。先日行われた日本選手権の近畿ブロック予選会では、上位6位までの選手に日本選手権の出場資格が与えられるところ、結果は8位で、学生時代の競泳では夢のまた夢であった日本選手権出場までもう少しというところまできました。

 トライアスロンは、ここ数年で学生の競技人口がかなり増えてきていますが、競技者の中心は社会人であり、レベル的にも高くなっています。一部のトッププロを除いて、皆社会人としてそれぞれの仕事をこなしながら、なんとか練習時間を捻出し、練習方法を工夫して競技に取り組んでいます。中には連日残業で深夜まで仕事をしながら、早朝練習・昼休みの練習、また土日の集中練習などで、トライアスロンでも素晴らしい成績を挙げている方もおられます。

 私もそんな方々に負けないように、自分の可能性を信じて日々練習に取り組んでいますが、今思うことは、学生時代自分は本当にできる限りの努力をして水泳に取り組んでいたか?ということです。そのときは全力で取り組んでいたつもりでも、今から考えると、まだまだ工夫の余地はあったのではないかと思うのです。

 トライアスロンの素晴らしいところは、生まれながらに持っている才能で勝負するのではなくて、自分が努力して勝ち取ったもので勝負できるところだと思います。水泳も同じでしょう。学生時代、一日の時間は、忙しいといっても十分にあると思います。しかし、大学生である時間は一生のうちの4年間だけです。どうか、一日一日を大切に、日々の練習で自分に対する誇りと大きな自信をつけて、来シーズンもがんばって下さい!

水上競技部OB 酒井 裕之(1995年法学部卒)

●第11号 2003/09/21   インカレを観戦して
 先日、インカレを観戦しました。本当に久しぶりの試合観戦で刺激を強烈に受けました。水の祭典で私も復活します。以下インカレ観戦で感じたことを書かせて頂きます。

 このご時世ですから、ちゃらちゃらした学生が多いのかな?と思っていましたが、観戦態度、大会へ挑む姿勢など観察しておりますと、関学の学生は非常に真面目である印象を受けました。監督、コーチのご指導の賜物だとは思いますが、非常に大切なことです。しかしそれと同時におとなしいという印象も受けました。「自分はこのように思う」「このようにしてほしい」「俺はこのようになりたい」といった考えや、情熱剥き出しの学生が少ないという印象も持ちました。このような意見を持つ人間は、一見わがままな人間に見られがちですが、こういった意見や考えは、よく考えないと生まれてこないものです。

 社会人になって感じるのですが、自分の意見や願望を持たない者、発言しない者は、自然と自分のフィールドが狭くなってきます。つまり明確な目標を持ち、それに向かって何をしなければならないのか、何が足りないのかを考えて実行しなければ、目標は達成できないということです。これは個人のみならず、チームとしても言えます。アドバイスをくれる人はいます。

 私も卒業して4年目になりますが、関学水上競技部発展の願望はあります。しかし、忙しいという言い訳から実行に移せていませんでした。まずは水の祭典へ出席します。OB・OGの皆様、現役の皆さん、今年の「水の祭典」を盛り上げましょう!

水上競技部OB 中園 博喜(2000年文学部卒)

●第10号 2003/09/09   本当にインカレで勝ちたいなら…       
 インカレは学生日本一を決める大会です。学生日本一を目指すということは、現在のインカレのレベルを考えると世界を目指すことになります。部員(選手・マネージャーとも)のみんなはそういったレベルを目指すという意識がありますか?なければいつまでたっても差は縮まりませんよ。我々にとって課題は2つあると考えます。「水泳に取り組む姿勢の見直し」と「古典的練習からの脱皮」です。

 まず水泳に取り組む姿勢ですが、学生ですから一に勉強です。またこのご時世からアルバイトもしなければならないでしょう。しかし残りの時間は水泳にすべてを懸けるようでないと駄目です。日曜日は遊んで気分転換、さわやかになんて甘い考えで能力の低い我々が追いつくことはありません。

 次に古典的練習からの脱皮ですが、まず昔の人が行っていたのは根性練習(古典的練習)です。今の選手が行っているのは、根性のない古典的練習です。過去の経験にしがみつかず、水泳界という狭い世界の常識にとらわれず、幅広い見識と理論に基づいた発想による練習を行うべきです。

 ここまで落ちていることですし、思い切ったプロジェクトを組む必要性を感じます。不況と呼ばれる中、日産自動車はV字回復を遂げました。我々にも出来ないことはありません。強い意志を持って取り組めば方法は見つかるはずです。勇気を持って挑戦すべきです。

水上競技部競泳コーチ 竹下 裕之(1990年社会学部卒)

●第9号 2003/08/21   現役生へ       
 大学を卒業して、はや4年半が過ぎようとしております。先月、久しぶりに関西学生選手権を観させて頂きました。慣れ親しんだ大阪プールと輝いている選手達を目にして、熱いものが込み上げてくる思いがしました。現在は、会社員なので泳ぐ機会もほとんどなかったのですが、また泳ぎたいと思う気持ちがでてきました。早速この前、仕事帰りに泳いできました(ブランクを大いに感じましたが・・・)。

 つい最近、同期の中西君の結婚式があり、水泳部OBが何人か集まったのですが、このような集まりの場を、水の祭典でも実現しようという話をしておりました。幸い、私も4月から西宮に住んでおりまして、関学までは車で10分の場所なので、今年は是非参加したいと思っております。このような機会があることで学生の皆様やOBメンバーが刺激しあい、良い効果が生まれていけばと思っております。

 これからも、関学水泳部のご活躍を期待しておりますので、学生の皆様、大いなる目標に向かって頑張ってください!!

水上競技部OB 松永 公一(1999年社会学部卒)
                 
●第8号 2003/08/10   OB・OGとの繋がり
 私が水球コーチに就任して約5年が経ちますが、近年はOB・OGと現役生との“繋がり”が以前と比べて弱くなったのではないかと感じています。今の世の中、変化の激しい時代ですが、それは社会人だけの話ではなく、大学生もさまざまな変化の波にさらされており、先の見えない中で部活動と学業を続けるのは、大変困難なことだと思います。

 どのようにしたら部が強くなれるのか?学業との両立はどうすればよいのか?どうやったら部員を増やせるのか?就職活動はどうすれば?などなど、さまざまなことで現役生は考えています。しかし現役生だけでは、視野が狭く、知識も偏重になりがちです。
 
 そこで、社会の第一線で活躍されている諸先輩方の知識・知恵そして経験を、学生達に伝えて頂けないでしょうか?競泳や水球の技術面だけでなく、組織の運営の仕方、人の動かし方や人生哲学、薀蓄など何でもいいので、現役生たちに話をしてもらえれば、と思います。先輩から色々な話を聞くことにより、現役生は刺激を受け、視野も広がり、水上競技部全体としてもレベルアップに繋がると思います。

 卒業後、5年くらい経つと見覚えのある後輩がいなくなり、プールに行き難くなるとは思いますが、我々スタッフも出来る限りOB・OGと現役生の交流する機会を増やしますので、年に1回だけでも、是非ともプールに来てください。

水上競技部水球コーチ 原 裕一(1997年理学部卒)

●第7号 2003/08/03   鉄鋼マンの情熱
 鉄(鋼)は製銑・製鋼・分塊・圧延・加工・熱処理などのさまざまな工程を経てお客様の元に届きます。ひとくちに鉄といってもその種類は無数にあり、例えば自動車のギヤやベアリング用の鉄とハンガー用の鉄では全く別ものと言っても過言ではありません。製鉄所の現場で働く技術者は、価格・品質・納期など顧客の厳しい要求に応えるよう、創意工夫の日々を送っています。
 
 また鉄は家電製品や自動車のように華やかな製品ではありません。これは鉄が最終消費者に直接届かない素材産業という業種のため仕方がないことです。しかし世の中に鉄がなければ、自動車も家電製品も高層ビルも存在しません。産業にも役割分担があるのです。

 水上競技部にも同じことが言えます。自動車のように華やかに活躍する選手の陰には、マネージャーや試合に出場しない選手が鉄の役割を果たしています。現役生は若さゆえ悩みも多く、自分の存在価値を見失いがちです。そんなときは周辺の鉄鋼製品を探してください。地道に働く鉄鋼マンの汗と情熱を想像してほしいと思います。

水上競技部スタッフ 今村 真(1997年経済学部卒)

●第6号 2003/07/17   優勝を目指して
 「5年ぶりの関西優勝」。

 このチームが最初に掲げた目標です。体育会に入っているもののみならず、スポーツを志す誰もが一度は味わってみたい優勝。この春私たちは優勝をまたもや逃しました。

 この4年間自分のために・チームのために・ライバルに勝つためにがんばりながら苦しみそして楽しんできました。特にこの9カ月間は、今までにないプレッシャーもあり、どうしていいのかわからない日々が多かったのですが、勝ちたいという一心でここまでやってくることができました。

 新入生として大学生活を始めたころは、部活動で水球を楽しくできたらそれでいいと考えていましたが、学年が上がっていくにつれて、少し大袈裟かも知れませんが人生の大切な節目であるような気がしてきました。

 あと少しの間でどれだけのことに気づき、改善していけるかわかりませんが、一日一日を後悔しないように努力し、チーム全員で勝利を掴み取りにいきます。最後の大舞台、秋季リーグでは自信に満ちた顔で皆様とお会いしたいと思います。

水上競技部水球主将 川嶋隆徳(商学部4年生)

●第5号 2003/07/10   現役生のみなさんへ
 こんにちは。平成15年卒、競泳パートでマネージャーをしていた谷野久美です。現在は証券会社で働いています。社会人になりもう3カ月が過ぎ、会社にも慣れてきました。毎日新しい知識を増やし、仕事を覚え、人間関係を築いていくのは楽しいことですが、だんだん仕事の厳しさもわかってきた今日この頃です。

 先月の関関戦では競技役員として参加させていただきました。クラブに打ちこむ後輩達、お世話になった方々や気のおけない同輩たちに会って、ものすごく気分をリフレッシュさせて帰ってきました。社会人になって、私が水泳部で4年間過ごして学んだ考え方やそこでの出会いは、本当に役に立ち、私の財産であると感じています。例えばそれは、自分はチームの一員であり、自分の行動がどのようにチームに影響を与えるのかを意識すること、目標達成のために何をするべきかを突き詰めて考えること、努力することの素晴らしさ、また、刺激を受けたり、何でも話せる友人です。4年間クラブに一生懸命になっていると、大変なことがたくさんありますが、それゆえに得るものも多く、楽しいこともたくさんあると思います。

 今年のインカレは応援に行こうと思っています。そしてみなさんからパワーをもらって帰るつもりです!

水上競技部OG 谷野 久美(2003年法学部卒)

●第4号 2003/06/30   振り返って思うこと
 今シーズンを思い起こすと、将来のこと、水泳のことをたくさん考えたなと思います。就職活動、教育実習、そして水泳どれも頑張りたいという気持ちでした。水泳では最後の1年を後悔のないように自己ベスト更新に向けて練習に励みたいという気持ちと、将来自分は何をしたいのか考えることと、いったいどちらが大切なのか悩まなくてはなりませんでした。もちろんどちらも大切なことです。

 たぶん後輩のみんなもこれから学年を追うにつれて、それぞれ違う形かもしれませんが出てくる悩みだと思います。しかし私が言いたいのは、ひとりで悩まないでほしいということです。同学年の仲間や先輩、水泳部を支えてくれているコーチや監督、部長などに相談してほしいです。私も先が見えずに悩んだこともありましたが、たくさんの方々にアドバイスを頂き、そしてそこから新たな自信を持って就職活動に臨むことができました。水泳での結果は満足いく成績をおさめることができずに後悔しています。けれど残り1カ月の水泳人生は楽しく、またみんなと泳げることの喜びを噛みしめながらクラブに参加したいです。

 最後に後輩へ伝えたいことは、自ら考え、それを信じて行動してほしいということです。そして人との出会いを大切に、水泳も自分の将来についても納得いく形で取り組んでほしいということです。どんなことでも相談に乗るので、いつでも連絡してほしいと思います。

水上競技部会計  金 明希(文学部4年生)

●第3号 2003/06/21   楽しむ
 私事ですが、昨年末で17年弱のサラリーマン生活に終止符を打ち、1月から社会保険労務士として独立開業しました。社会保険関係の手続きのみならず、融資の相談、相続の相談、労災の認定等、依頼内容は多岐にわたり、開業したばかりの私にとっては当然初体験の案件ばかりであるので、時間がいくらあっても足りない状態です。大変ですがなぜか非常に楽しく、また、人にも楽しそうだと言われます。そして楽しんで仕事をすることがこんなに充実感があるものかと実感する今日この頃です。
 
 学生時代の私は「継続は力なり」を信じて水泳に打ち込んでいました。しかし高校の後半から伸び悩み、この信条は悲壮感漂うものに変貌していた気がします。そして楽しんで泳ぐことを知った社会人5年目に何と自己ベストをマークしてしまいました。

 巷では「楽しんでやりました」と言いつつちっとも楽しそうでない選手、逆に全然真剣さが感じられない選手等さまざま見られます。楽しむことは非常に奥が深いのです。選手の皆もまずは肩の力を抜いて、そして水上競技部を心底楽しみ、幸せで充実した4年間を送ってほしいと願っています。

水上競技部監督 内藤 俊夫(1986年商学部卒

●第2号 2003/06/07   ラストスパート
 私が初めて関学の地下プールを覗きに行ったときのことを今でも鮮明に覚えています。あれからすでに3年と2カ月たちました。思い起こされることは山ほどありますが、思い出に浸るのは早すぎるので第17号の弦泳(=水上競技部活動報告書)までとっておこうと思います。

 いよいよ本格的なシーズンに突入します。主将として、一選手としてどれだけの伏線を張ることができたでしょうか。ここ数カ月は、悔いの残らないようにやれることはすべてやる気持ちでトレーニングしています。器用でない分がむしゃらかもしれませんが、それを理解したうえで部員がついてきてくれていることを信じています。幹部全員でチームが強くなるために何ができるか必死で考え悩んだこと、朝から晩まで水泳漬けだった日々。今までしてきたことを振り返れば確信がわいてきます。すべては目標の達成につながっているのだと。

 15年間水泳をしていますが、残り100回練習できるかどうかです。たったこれだけの期間でどれだけ追い上げることができるか分かりませんが、最後まで全力で泳ぎきりたいと思います。現役水泳生活のラストスパートです。

水上競技部主将 大原 豪(経済学部4年生)

●第1号 2003/06/01   『KGUST』ブランド   

 車のJaguar、指輪のTiffany、カバンのLouis Vuitton、いずれも有名な『ブランド』である。同じダイヤモンドでも『Tiffany』と付けば、ブランドなしのダイヤモンドの数倍から数十倍の支払いを拒まない。この金額の差を『Tiffany』のブランド価値として考えることができる。

 なぜ『ブランド』に価値があるのか?価値のある『ブランド』を育成するにはどうすればよいのか?マーケティングにおいて、近年、注目を集めている分野の一つである。明確に言えることが一つある。『ブランド』は勝手に評価され、完成されるものではない。『ブランド』を大切に思い、『ブランド』を愛する人々が『ブランド』を構築するのである。

 『KGUST』ブランドを愛する人々、それは現役、OB・OG、KGUSTをご支援くださるKG内部・外部の方、保護者の方、KGUST部員を夢見る高校生、、、あげれば尽きることはない。

 この「上ケ原だより」が『KGUST』ブランドを愛する人々の集う場になり、『KGUST』ブランドを更に愛し、ひいては『KGUST』がますます発展していくことを願う次第である。

水上競技部部長 井上 哲浩(商学部助教授)